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3 累犯受刑者の再入前生活環境 まず,昭和53年1月に法務総合研究所で行った調査により,51年の新受刑者中のB級系統受刑者が入所前に置かれた生活環境について考察する。
III-26表は,B級系統受刑者の入所度数別に,その入所前の生活程度を示すものである。全般的に生活程度は低いと言えるが,とりわけ,6度以上の者については,その67.0%が生活程度・下となっている。 III-26表 B級系統受刑者の入所度数別生活程度 III-27表 B級系統受刑者の入所度数別学歴 III-27表は,同様に,学歴を示すものである。特に入所度数6度以上の者について,小学校程度の者の比率が高く,中学校程度の者の比率が低くなっており,しかも,全般的に教育課程からの中退者の比率が高くなっている。III-28表も,同様に,配偶者の関係を示すものである。配偶者がある者の多いのは,入所度数3度目のもので,約半数(44.5%)に配偶者がある。配偶者との離別は,4度目の者で,ほぼ4人に1人(25.8%)の割で経験しており,6度以上の者では,未婚と離別を合わせると,77.9%の高い比率を示している。 III-28表 B級系統受刑者の入所度数別配偶関係 次に,III-29表は,B級系統受刑者中の再入受刑者について,前刑時の帰住場所を,入所度数別に示したものである。多少の曲折はあるが,入所度数が増すにつれて,父母,配偶者,兄弟姉妹等の親族の下へ帰住する者の比率が低下し,更生保護会・社会福祉施設,雇主・知人,刑務所仲間の下へ帰住する者の比率が高まっていることがわかる。III-29表 B級系統再入受刑者の入所度数別前刑出所時の帰住場所 III-30表は,前述の法務総合研究所の調査により,昭和51年の新受刑者中のB級系統受刑者について,入所度数別に,それぞれの犯罪時の職業を見たものである。初度の者と5度以上の者について,無職者の比率が半ば以上を占めている。また,2度以上の者について,建設及び単純作業に従事している者の占める比率が,20%前後となっているのが注目される。III-30表 B級系統受刑者の入所度数別犯時職業 |