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1 未決拘禁者の処遇 未決拘禁者(勾留中の被疑者及び被告人をいう。)は,拘置所若しくは拘置支所又は刑務所の特別区画である拘置場に収容され,受刑者とは異なる処遇を受けている。
未決拘禁者の処遇については,逃走及び証拠隠滅の防止と施設の規律維持が基本となっている。居房は,証拠隠滅の防止を図り,本人の名誉の保全に資するため,原則として独居房である。雑居房に収容される場合でも,同一事件に関係のある者は居房を別にし,居房外においても接触の機会がないように配慮されている。作業は強制されないが,請願作業が許され,就業者には,作業賞与金が支給される。 衣類及び寝具は,受刑者と異なり,自弁が原則であり,食糧や日用品についても,規律及び衛生に害のない限り,かなり広範にわたり自弁が許されている。 面会及び通信については,管理上やむを得ない場合を除いては,その相手方・回数に制限はない。特に弁護人との面会については,立会人を付けないこととし,被疑者・被告人としての防御権が保障されている。通信の内容については,検閲が行われる。 図書,雑誌及び新聞については,未決拘禁の目的に反せず,かつ,施設の規律に害のない限り,その閲読が許されている。教誨は,本人から願出があって,裁判の審理や施設の規律維持に支障のない場合に行われている。 II-65表は,未決拘禁者の人出所状況を示すものである。昭和52年では,被告人の入所人員は,5万1,543人で前年に比べて610人増加したが,被疑者の入所人員は2万2,299人で,前年に比べて966人減少している。 |