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 昭和53年版 犯罪白書 第2編/第2章/第2節/9 

9 保  安

 行刑施設において受刑者処遇を円滑に行うためには,施設内の安全と秩序を維持する保安の作用が不可欠である。
 II-57表は,昭和50年中に行刑施設で規律に違反して懲罰を科された受刑者について,A級及びB級受刑者の系統別に見たものである。規律違反の各態様ともB級系統の受刑者による違反が圧倒的に多く,年間平均収容人員との対比において,A級系統の受刑者に比較的多いのは喝食・窃食である。
 II-58表は,最近における行刑施設での事故発生状況を示すものである。昭和40年当時と比較して事故数は著しく減少している。しかし,処遇困難な問題受刑者が占める比率は,近年,増大の傾向にあり,特に暴力団関係者の占める比率が,52年11月末現在で全受刑者の約23%を占め,B級系統の受刑者を収容する施設ではおよそ3割を占めるに至っている。施設の安全と秩序の維持には,この上とも十分な注意と努力が要請されている。

II-58表 行刑施設事故発生状況(昭和40年,45年,50年〜52年)

II-59表 交通犯罪新受刑者の罪名別・刑種別人員(昭和40年,45年,50年〜52年)