刑務所は，懲役，禁錮などの自由刑の執行を主要な任務とする刑事施設であるが，単に受刑者の自由を拘束するというだけでなく，その者の改善更生及び社会復帰を図って再犯を防止することを目的とする矯正施設でもある。
　刑事施設としては，この刑務所のほかに，主として未決拘禁者を収容する拘置所がある。
　刑務所及び拘置所の1日平均収容人員を昭和40年，45年及び最近3箇年について見てみると，II-27表のとおりである。
　昭和51年の1日平均収容人員は，4万6,931人(うち，女子は1,128人で全体の2.4%に当たる。)で，前年に比べて1,241人の増加である。このうち，受刑者は3万8,469人で，全収容者の82.0%を占め，前年に比べて619人の増加となっている。未決拘禁者については，被告人は7,846人で，前年に比べて643人の増加，被疑者は379人で，前年に比べて23人の減少となっている。
　次に，受刑者について，その人出所の状況を見ると，II-28表のとおりである。昭和51年の入所人員は2万8,885人であるが，そのうち2万7,396人がこの1年間に新たに刑が確定して入所した者で，仮釈放の取消しなどによる復所者は1,489人である。入所人員は，51年では，前年を1,415人上回り，前年に引き続き増加の傾向を見せている。出所人員は，2万7,908人であり，その内訳は，満期釈放1万2,272人，仮釈放1万4,668人，その他刑執行停止などによる出所人員968人である。満期釈放と仮釈放の割合についての近年の傾向は，満期釈放の割合が幾分増加し，その反面，仮釈放の割合が低下してきている。51年では，満期釈放は45.6%，仮釈放は54.4%となっている。

II-27表　刑務所・拘置所1日平均収容人員(昭和40年，45年，49年〜51年)

II-28表　受刑者の入出所事由別人員(昭和40年，45年，49年〜51年)