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3 暴力団関係者による犯罪 暴力団関係者によって犯される犯罪の傾向を見るため,最近5年間における業過を除く刑法犯の検挙人員のうち暴力団関係者の占める比率を主要罪名別に示したのが,I-31表である。その間の推移を見ると,検挙人員全体では,昭和48年から50年まで増加し,51年では若干減少しているのに対し,暴力団関係検挙人員は,ほぼ横ばいの状況にある。また,検挙人員中に占める暴力団関係者の比率は,全体としては,47年以降著しい変動を示していないが,罪名別に見ると,傷害,暴行,放火,殺人,強姦,強盗,脅迫などで徐々に上昇してきている。
I-31表 主要罪名別刑法犯暴力団関係検挙人員及び全検挙人員中に占める比率(昭和47年〜51年) I-32表 特別法犯暴力団関係送致人員及び全送致人員中に占める比率(昭和47年〜51年) 次に,最近5年間における道交違反を除く特別法犯の送致人員(検挙した被疑者を検察庁又は家庭裁判所に送致した人員をいう。)のうち暴力団関係者の占める比率を主要罪名別に示したのが,I-32表である。この間に,送致人員全体では,13.2%増加しているのに対して,暴力団関係者の送致人員は,実に78.6%増加している。そのため,送致人員中に占める暴力団関係者の比率は,昭和47年の9.1%から51年の14.4%にまで上昇している。51年の送致人員について罪名別に見ると,暴力団関係者の占める比率は,覚せい剤取締法違反が58.7%で最も高く,以下,自転車競技法違反の57.1%,競馬法違反の52.2%,麻薬取締法違反の27.4%などの順となっている。47年と51年を比較すると,暴力団関係者の占める比率の増加が著しいのは,競馬法,自転車競技法,麻薬取締法,銃砲刀剣類所持等取締法の各違反などである。以上述べたように,業過を除く刑法犯の検挙人員のうち暴力団関係者の占める比率が凶悪犯,粗暴犯を中心に上昇していることから,その暴力的犯罪への傾向を強めてきていることがうかがわれ,また,特別法犯送致人員中の暴力団関係者の占める比率から見て,最近では,暴力団の資金源として,覚せい剤取引,のみ行為などが大きな比重を占めていると言えよう。 |