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売春防止法は,昭和31年5月24日に制定され,33年4月1日から全面的に施行された。同法制定20周年に当たり,同法の運用状況と最近における売春事犯の実態に焦点を当てて検討することとする。
まず,施行以来の売春防止法違反事件の検挙(送致)人員の推移を見ると,III-27図及びIII-133表のとおりである。検挙人員は,いずれも著しい減少を示している。同法が年間を通じて施行された最初の年である昭和34年の検挙人員は1万9,600人であったが,49年の送致人員は3,075人,50年には2,983人に減少している。また,適用法条についても変化が見られる。34年には,5条違反(勧誘等)が総数の72.2%を占めていたのに対して,50年では52.8%に低下している。6条違反(周旋等)及びその他の違反も,検挙(送致)人員は減少しているが,5条違反が大幅に減少したので,総数中に占める割合は徐々に増大している。 III-27図 売春防止法違反検挙(送致)人員の推移(昭和33年〜50年) III-133表 売春防止法違反検挙(送致)人員の推移(昭和33年〜50年) |