警察官は，非行少年を早期に発見し，捜査又は調査の結果，これを選別して関係機関に送致又は通告し，あるいは家庭，学校，職場等への連絡，注意，助言などを行って非行の防止を図るばかりでなく，青少年の健全育成に資する活動を行っている。
　昭和50年において，刑法犯により，警察に検挙された犯罪少年は16万1,346人で，前年に比べて1,221人の減少となっている。しかし，交通関係の業務上(重)過失致死蕗を犯した4万も592人を除いた刑法犯の犯罪少年は11万6,754人で，前年より1,319人の増加となっている。また，道交違反を除く特別法違反として送致された犯罪少年は1万6,798人で，前年より2,599人増加している。このほか，蝕法少年は3万5,600人で，前年より578人減少し，家庭裁判所に送致され又は児童相談所に通告された虞犯少年は5,758人で，前年より305人の増加となっている。
　これらの交通関係の業務上(重)過失致死傷を除いた犯罪少年，触法少年の処理状況は，III-4図のとおりで，犯罪少年のうち，7.8％が身柄拘束で検察官又は家庭裁判所に送致されている。残りの92.2％は不拘束送致であるが，このうち，14.6％は簡易送致の方式によっている。触法少年の29.7％が児童相談所又は福祉事務所に通告され，残りの70.3％については，警察限りでの措置が執られており，この警察限りでの措置の比率は，近年上昇の傾向にある。

III-4図　警察における非行少年の処理別人員と百分比(刑法犯)(昭和50年)

　警察が検挙ないし補導した少年は，少年法及び児童福祉法の定めるところに従って，次のように処理される。犯罪少年のうち，罰金以下の刑に当たる犯罪を犯した少年は，警察から直接家庭裁判所に送致され，禁錮以上の刑に当たる犯罪を犯した少年は，検察官に送致され，また，触法少年及び虞犯少年は，児童相談所又は福祉事務所に通告され，あるいは家庭裁判所に送致されることとなっている。