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 昭和51年版 犯罪白書 第2編/第4章/第1節/1 

第4章 更生保護

第1節 更生保護の発展

1 概説

 我が国の更生保護が制度として整備され,国の責任において行われるようになったのは,犯罪者予防更生法が施行された昭和24年7月1日以降のことである。しかし,更生保護の精神的基盤は,民間篤志家によって支えられてきた伝統に根ざし,また,国の責任についても,大正12年に施行の旧少年法及び昭和14年に施行の司法保護事業法において,既にその制度的芽生えがあった。
 このように,我が国の更生保護は,日本の精神的伝統及び戦前の法制的背景に,戦後において導入されたプロベーション及びパロールが結合したものと言うことができる。その結果,我が国の更生保護の構造と運用については,固有の部分と新しい部分,また,不動なものと変容を続けるものが共存し,交錯している。本節では,情勢の変化に伴って更生保護の制度・組織・処遇の内容・施策等がどのように変わっていったか,また変わらないものは何かなどに焦点を当て,以下,昭和24年以降を3期に分けて,その発展の跡を概観する。更生保護が制度として発足して以来四半世紀を経た時点において,このような回顧をすることは意義のないことではないであろう。