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1 戦後の推移 戦前において,この種財産犯は昭和9年前後に急増した。この現象については,前節で窃盗について検討したところと共通であるから,ここでは,戦後の推移についてのみ述べることとする。21年から50年までの詐欺・横領・背任の発生件数の推移を示したのが,I-16図及びI-71表である。この種財産犯は,21年からかなりの急カーブで増加し,25年のピークに達した。その後は,若干の起伏を示しながらも,全体として減少傾向を示している。窃盗の発生件数が30年以降実数においてはほぼ横ばいであるのに比べ,この種財産犯は減少の傾向が著しい。以下,詐欺,横領及び背任について,最近の動向を述べる。
I-16図 詐欺・横領・背任発生件数の推移(昭和21年〜50年) I-71表 詐欺・横領・背任の発生件数(昭和21年〜30年,35年,40年,45年,50年) |