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 昭和51年版 犯罪白書 第1編/第1章/第4節/2 

2 日本人の国外犯

 日本人の出国者数は,昭和50年には246万6,326人に達したが,これは,前年より13万796人の増加であり,40年の16万2,910人と比べると,約15倍に相当する。また,出国の目的については,観光目的のみで出国した者の割合が逐年増加し,40年には28.4%にすぎなかったのに対して,50年には82.2%に上っている。
 日本人の外国における犯罪について国際刑事警察機構(ICPO)又は外務省を通じて警察庁に通報のあった件数は,I-33表に見るとおり増加している。昭和40年における通報受理件数は4件にすぎなかったが,50年には116件に達している。50年の犯罪通報件数を罪名別に見ると,麻薬・覚せい剤の17件,詐欺・偽造の14件,殺人の12件などとなっている。また,犯罪発生地域は,I-8図の示すとおり,世界中に広がっているが,特に,スペイン,イギリス,アメリカなどで多くなっている。

I-33表 日本人国外犯の罪名別通報受理件数(昭和40年〜50年)

I-8図 国外における日本人の犯罪状況(昭和50年)