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 昭和49年版 犯罪白書 第2編/第4章/第3節/3 

3 応急の救護・援護

 保護観察の対象者が,負傷若しくは疾病のため,又は適当な住居,職業等がないため,更生を妨げられると認められるとき,保護観察所によって応急の救護(保護観察付執行猶予者の場合は,援護という。以下,救(援)護という。)の措置がとられる。この措置は更生(緊急)保護と性格を異にするが,具体的に行う保護措置の内容が同一であるところから,措置の一般原則,実施基準,措置の種類・内容その他共通して適用しても矛盾しない事項はすべて,救(援)護に準用されるので,便宜上ここで取り上げることとする。
 II-115表は最近5年間の救(援)護の措置人員の累年比較であるが,これによると,総数の8割強が仮出獄者によって占められており,全体的に逐年減少の傾向が顕著である。

II-115表 救護・援護の措置人員累年比較(昭和44年〜48年)

 保護観察対象者中昭和48年に救(援)護の措置を受けた人員は1万80人であるが,そのうち自庁による救(援)護は5,350人,更生保護会に委託して行ったものは4,680人で,前年に比べ,前者において20.0%,後者において7.7%の減になっている。これらの措置の状況はII-116表及びII-117表のとおりである。そのほか,個人委託が50人あった。

II-116表 保護観察対象者に対する自庁による救護・援護の実施人員(昭和48年)

II-117表 保護観察対象者に対する更生保護会への委託による救護・援護の実施人員(昭和48年)