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 昭和49年版 犯罪白書 第2編/第4章/第3節/2 

2 更生(緊急)保護の実施状況

 II-112表は,最近5年間の更生(緊急)保護事件の受理・処理状況及び昭和48年における事件の種別ごとの内訳であるが,これによると,48年に保護観察所が受理した更生(緊急)保護事件の新受人員は8,868人で,前年より更に560人減少して8,000人台となり,39年の1万7,698人に比べ,この10年間でほぼ半数になっている。48年の受理人員を事件の種別でみると,刑の執行終了者が7,479人(84.3%)と大多数を占め,起訴猶予者1,055人(11.9%),刑の執行猶予者(判決未確定者及び保護観察の付かない判決確定者)332人(3.7%)の順になっており,その構成比は例年とほとんど変わらない。補導処分終了者については,その総数自体がわずかであるのに,例年,更生(緊急)保護の新受人員の中に補導処分終了者が計上されていることが注目される。

II-112表 更生(緊急)保護事件の受理及び処理人員累年比較(昭和44年〜48年)

 上記の受理人員の97.2%に当たる8,620人に対し,それぞれ前述の自庁保護若しくは委託保護又はその双方が併せて実施されている。その実施状況の内訳は,II-112表に示すとおりである。なお,同年中に保護申出をしたが,必要性,相当性に乏しいものとして,保護措置をとらない決定を受けた者が248人(2.8%)あり,前年の3.6倍にも達している。
 更に,保護措置の内訳を自庁保護と委託保護について表示すると,それぞれII-113表及びII-114表のとおりである。これによると,昭和認年における自庁保護の総数は4,991人(II-112表中の自庁と自庁及び委託の合計)で,更生保護会に同年中に4,242人の者が新たに委託され,4,314人の者が保護を受け終わっている。同年末現在委託による保護中の人員は,524人で,前年末から72人減少している。それら委託保護の内容は,例年,ほとんどが食事付宿泊の供与である。

II-113表 自庁保護の実施人員(昭和48年)

II-114表 委託保護の実施人員(昭和48年)