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 昭和49年版 犯罪白書 第2編/第4章/第1節/3 

3 在監・在院者の環境調整

 矯正施設に収容されている者の円滑な社会復帰を図るためには,本人が施設内で矯正処遇を受けているのと並行して,あらかじめ帰住予定地の環境を調査し,必要に応じて更生に支障がないように調整を行っておくことが大切である。この一連の作業が保護観察所の担当する環境の調整である。
 昭和48年に保護観察所が受理した環境調整事件及びこれに対する報告書の状況は,II-98表に示すとおりである。受理総数は3万4,112件,当初報告数は3万1,024件,追報告数は4万5,619件であり,受刑者に関するものが全報告の9割強を占めている。当初報告,追報告とも,矯正施設に収容されている者の逓減に伴い,前年より約2,000件減少している。

II-98表 環境調整事件の受理及び報告の状況(昭和48年)

 なお,地方更生保護委員会においては,一部の矯正施設の収容者について,仮釈放準備調査を実施している。これは,矯正施設の長から仮釈放の申請を受ける前に,地方更生保護委員会の保護観察官が矯正施設におもむいて,収容者の面接調査を行うとともに,施設職員とも協議して,仮釈放審理の充実と本人の社会復帰の円滑化を図ろうとするものである。この仮釈放準備調査の実施施設は,近年次第に増加し,昭和49年6月末現在においては,刑務所1,少年刑務所6,少年院47,計54の施設において行われ,昨年の同時期に比べ,少年院が10施設増加している。48年に新たに仮釈放準備調査の対象となった収容者数は3,308人で,前年に比べほぼ倍増している。なお,同年に仮釈放準備調査が終了した数は2,230人で,そのうち,1,659人は同年に仮釈放の申請がなされたものであり,それぞれ前年に比べ著しく増加している。