昭和38年及び最近5年間の性犯罪の発生件数及び検挙人員を示したものが，I-26表及びI-27表である。これによると，強姦(同致死傷を含む。)は，発生件数及び検挙人員ともに逐年減少している。強制わいせつ(同致死傷を含む。)については，発生件数では，47年まで減少傾向を示した後，48年には前年より増加しているが，検挙人員では逐年減少している。このように，最近5年間における強姦及び強制わいせつは，おおむね減少する傾向にあるといえるが，この種の犯罪の性質上，暗数が相当多数に上ると考えられるので，統計上の数字と実際に発生した犯罪件数との間に，かなりの差があると考えられる点に留意する必要がある。

I-26表　性犯罪発生件数(昭和38年，44年〜48年)

I-27表　性犯罪険挙人員(昭和38年，44年〜48年)

　また，公然わいせつ・わいせつ文書頒布等については，発生件数及び検挙人員ともに，昭和45年に一時増加した後，逐年減少している。しかし，48年の発生件数及び検挙人員を10年前と比較すると，いずれも2倍又はそれ以上の増加となっていることが注目される。