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2 財産犯罪 昭和38年及び最近5年間における財産犯罪の発生件数の推移を示したのが,I-12表である。窃盗は,45年に一時増加した後,46年以降は漸減している。詐欺は,46年まで減少し,47年に至って増加したが,48年には再び減少している。横領は,45年に増加し,46年には逆に減少したが,47年以降は相当の増加を示している。賍物及び背任は,いずれも逐年減少を続けている。
I-12表 財産犯罪発生件数(昭和38年,44年〜48年) 検挙人員の推移は,I-13表のとおりであり,発生件数とほぼ同様の傾向を示しているが,昭和48年には,前年と比較して,窃盗と横領が増加し,詐欺,賍物,背任が減少している。I-13表 財産犯罪検挙人員(昭和38年,44年〜48年) 次に,これらの財産犯がどのような被害をもたらしているかを示したのが,I-14表である。これによると,被害総額及び罪名別の被害額は,いずれも,起伏を示しながらも増加する傾向にあるが,昭和48年の被害総額は1,010億7,174万2,000円にのぼり,そのうち,窃盗の被害額が最も多く,総額の47.9%を占め,次いで,詐欺の33.0%,横領の12.6%,背任の6.4%となっている。このように,詐欺及び横領については,発生件数では窃盗と比較してはるかに少ないのに,1件当たりの被害額が大きいため,相当多額の被害をもたらしていることが理解される。なお,48年の財産犯の被害総額のうち,犯行後に被害が回復した割合は,約21%となっている。I-14表 財産犯罪の被害額の推移(昭和44年〜48年) 次に,財産犯罪の大部分を占める窃盗について,その主な手口別に,昭和44年から48年に至る発生件数の推移をみると,I-15表のとおりである。同表によると,侵入窃盗は47年以降減少し,非侵入窃盗も46年から漸減しているのに対して,乗り物盗は逐年増加している。これを更に詳細にみると,侵入窃盗では,空巣,忍び込み及び事務所荒しのすべてにわたって減少傾向にあるが,非侵入窃盗では,車上ねらい及びすりは漸減傾向を続けているのに,万引は逐年増加している。また,増加を続けている乗り物盗では,自転車盗及びオートバイ盗が増加傾向にあるのに対して,自動車盗は次第に減少している。I-15表 窃盗の主要手口別発生件数の推移(昭和44年〜48年) |