第2節 少年犯罪の特質と背景 本節においては,警察庁の統計,司法統計年報等の各種統計資料のほか,法務総合研究所が法務省刑事局と共同して実施している「犯罪少年の実態に関する調査」(以下,法務省特別調査という。)の結果等を適宜引用しつつ,少年犯罪の特質と背景につき,述べることにしたい。 法務省特別調査は,昭和47年1月から12月までの間に,全国の地方検察庁及び支部において受理した少年事件(道路交通法違反事件,業務上(重)過失致死傷事件及び簡易送致,追送致,他庁からの移送,再起等の事件を除く。)の中から無作為に10分の1抽出を行った8,267人の少年を対象としたものである。なお,47年以前についても,42年以降,毎年,同様の調査が実施されているので,以下の検討に際しては,必要に応じ,過年度の資料を引用して比較を試みろこととする。
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