昭和四六年一二月末日現在の少年受刑者数は，III-88表のとおり，七四〇人(うち女子一人)で，前年に比べ，一五一人減少している。四四年からは，減少が著しい。

III-88表　少年受刑者の年末現在人員(昭和42,46年)

　次に，昭和四六年中に，新たに入所した少年受刑者(二〇歳未満の者)総数は，III-89表の示すとおり，三〇〇人で，前年に引き続き減少している。

III-89表　20歳未満新受刑者の罪名別人員(昭和44〜46年)

　同表により，その罪名別人員の最も多いものからあげると，強姦(二六・七％)，業務上過失致死傷(二一・三％)，窃盗(二〇・〇％)，殺人(一〇・〇％)，強盗(九・七％)の順となっている。前年に引き続き，強姦，業務上過失致死傷の構成比の増加が著しい。なお，窃盗は，昭和四五年にその首位を強姦にゆずり，四六年はさらに第三位に転落している。
　二〇歳未満の新受刑者の刑名，刑期をみると，III-90表のとおりであり，昭和四六年においては，懲役刑(二六一人)では，一年をこえ二年以下が最も多く二六・四％を占め，次いで，二年をこえ三年以下の二四・一％，三年をこえ五年以下の二二・二％の順となっている。禁錮刑(三九人)では，六月をこえ一年以下が圧倒的に多く，一年をこえ二年以下がこれに次いでいる。

III-90表　20歳未満新受刑者の刑名・刑期別人員(昭和44〜46年)

　次に，少年新受刑者(三五七人)を入所度数別にみると，III-91表のとおり，昭和四六年においては，その九八・六％(三五二人)が初入者であり，入所度数二度の者は，一・四％(五人)にすぎない。成人受刑者の場合(初入者の割合は四八・七％)に比較し，少年新受刑者中に占める初入者の割合は著しく大きい。しかし，この初入の少年新受刑者の保護処分歴をみると，III-92表のとおり，その四一・二％に保護処分歴があり，そのうち，少年院送致歴のある者が総数の三分の一を占めている。なお，この少年院送致歴のある者の占める率は毎年減少している。

III-91表　少年新受刑者の入所度数別人員(昭和46年)

III-92表　少年新受刑者中初入者の保護処分歴別人員(昭和44〜46年)