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 昭和45年版 犯罪白書 第三編/第二章/三/1 

三 裁判

1 裁判の結果

 昭和四二年一〇月八日に発生した第一次羽田事件以降の,学生らによる集団暴力事件の被告人四,三三三人について,第一審判決の有無,判決の結果を,昭和四五年五月七日現在で調査すると,III-121表のとおりである。これによると,第一審判決のあった者は,総数の三二・〇%にあたる一,三八七人で,その九八・六%の一,三六七人が有罪,一三人が無罪,七人が公訴棄却となっている。

III-121表 集団事件の第一審裁判結果(昭和45年5月7日現在)

 有罪判決を受けたこの一,三六七人について,その内容をみたのが,III-122表およびIII-123表であるが,刑の種類では,懲役が最も多く,一,二六一人と有罪総数の九二・二%を占め,以下,罰金の九三人(六・八%)科料一〇人(〇・七%),禁錮二人,拘留一人の順となっている。懲役に処せられた者のうち,実刑となった者は一二八人(一〇・二%),執行猶予の付せられた者は一,一三三人(八九・八%)である。次に,懲役の刑期についてみると,実刑となった一二八人のうち,最も多いのが一年をこえ二年以下の八〇人で,実刑となった者の六二・五%を占め,次いで,六月をこえ一年以下の二五人,二年をこえ三年以下および六月以下の各一一人,三年をこえるもの一人となっている。刑の執行を猶予された者にあっては,一,一三三人のうち,四二・二%にあたる四七八人が,六月をこえ一年以下の刑に処せられ,三七・二%にあたる四二二人が一年をこえ二年以下の刑となっている。執行猶予が付せられた禁錮刑の二人は,いずれも六月以下の刑に処せられたものである。また,罰金額では,九三人のうち,一万円以下が四二人,一万円をこえ三万円以下が四三人と,この両者で罰金刑の九一・四%を占めている。

III-122表 集団事件の科刑状況(昭和45年5月7日現在)

III-123表 集団事件の科刑の内容(昭和45年5月7日現在)