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3 更生(緊急)保護の実施状況 昭和四四年における更生(緊急)保護事件の受理および処理の状況は,II-112表のとおりである。これによると,受理人員総数は一一,〇八三人であり,種別でみると,刑の執行終了者が九,二九六人(八三・九%)で大部分を占め,次いで起訴猶予者が一,三九五人(一二・六%)となっている。保護措置の決定人員は,自庁保護だけの者六,〇九四人(五五・二%),委託保護だけの者三,七五四人(三四・〇%),自庁および委託の両保護措置の者一,一八七人(一〇・八%)であり,保護措置をとらない決定のあった人員は四八人にすぎない。なお,最近五年間の受理状況をみると,II-113表のとおり,逐年,減少の傾向にある。
II-112表 更生(緊急)保護事件の受理および処理人員(昭和44年) II-113表 更生(緊急)保護の新受および措置人員累年比較(昭和40〜44年) 昭和四四年における自庁保護の実施状況については,II-114表のとおりで,総数は七,二八一人であり,措置別にみると,鉄道運賃割引証の交付が最も多く,次いで,旅費支給,食事給与等となっている。委託保護については,II-115表のとおりで,総数五,七六六人であり,その大部分が食事付宿泊供与である。II-114表 自庁保護の実施人員(昭和44年) II-115表 委託保護の実施人員(昭和44年) なお,法務省保護局の調査によって,昭和四三年における更生保護会退会者の退会時の状況をみると,II-116表のとおりである。これによると,調査対象人員九,五七八人について,退会理由別では,円満退会は六,五八一人(六八・七%)で最も多いが,次いで,無断退会が一,八七七人(一九・六%)となっている。退会先別では,就職先への住込が二,七八三人(二九・一%),親族,縁故者のもとに帰住が二,三六八人(二四・七%)で,両者で過半数を占めているが,行先不明の者が一,九二四人(二〇・一%)ある。さらに,退会時の職業別をみると,単純労働が四,一二六人(四三・一%),生産・技能工が一,九七一人(二〇・六%)で,両者で大部分を占めているが,無職の者が一,一一五人(一一・六%)ある。II-116表 更生保護会退会時の状況(昭和43年) |