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1 収容状況 補導処分による収容期間は,売春防止法第一八条によって六月と定められている。
昭和三三年五月婦人補導院が発足して以来,昭和四四年一二月末日までの新収容者は,二,八四八人となっており,最近五年間の入出院状況は,II-79表のとおりである。新収容者は,逐年減少しており,昭和四四年の新収容者は,八六人で,前年に比べて三七人の減少であり,また新収容者の最も多かった昭和三五年(四〇八人)の約二一%にすぎない。ちなみに,昭和四四年に売春防止法違反により新たに収容された女子受刑者は,一六六人である。 II-79表 婦人補導院の入出院状況(昭和40〜44年) 補導成績の良好な者は,地方更生保護委員会の決定によって,仮退院が許されるのであるが,II-79表に示すとおり,昭和四四年についてみると,出院者一一三人中,仮退院は,わずか二人にすぎず,大部分の者が,補導期間の満了による退院である。新収容者の入院時年齢をみると,II-80表のとおりで,年次により変動はあるが,二五歳から三四歳までの者が例年最も多くなっている。昭和四四年では,二五歳から二九歳までの者が二九・一%と,前年に比較してその割合が増加している。 II-80表 婦人補導院新収容者の年齢別人員(昭和42〜44年) 新収容者の入院度数についてみると,II-81表に示すとおりで,昭和四四年では,初入院者が,最も多く,総数の六九・八%を占め,次いで二度目の者の一八・六%であり,前年までと比較して,初入院者の割合が増加してきている。II-81表 婦人補導院新収容者の入院度数(昭和42〜44年) II-82表は,最近三年間の再入院者について,前回出院時から再犯までの期間を調べたものである。これによると,昭和四四年では,出院後二年未満に再犯を犯している者が,前年に比較して減少し,これに対して,再犯期間二年以上の者が,かなりの増加を示している。II-82表 婦人補導院新収容者中再入院者の再犯期間別人員(昭和42〜44年) 新収容者の知能検査に現われた知能指数の分布をみると,II-83表に示すとおりで,過去三年間を通じて知能指数六九以下の者が,新収容者の半数以上を占めている。昭和四四年では,前年に比較して,知能指数四九以下の者の割合が目だって増加しており,これに対して,知能指数九〇以上の者は,一〇%に満たない。II-83表 婦人補導院新収容者の知能指数別人員(昭和42〜44年) 新収容者の精神状況は,II-84表に示すとおりで,昭和四四年は,準正常が四八・八%で,半数に近く,次いで,精神薄弱の四一・九%となり,正常は,わずか一・二%にすぎない。この割合に例年大きな変化はみられないが,わずかに準正常が増加している。II-84表 婦人補導院新収容者の精神状況(昭和42〜44年) |