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 昭和44年版 犯罪白書 第二編/第三章/四/1 

1 保護観察所による犯罪予防活動の状況

 保護観察所による犯罪予防活動のうち,最も大きなものは,「社会を明るくする運動」の行事を中心に展開される種々の活動である。この運動は,昭和二六年以来,毎年一回,七月の一か月間,法務省の主唱のもとに,広く関係機関・団体の協力を得て,中央,地方に,実施委員会を置き,全国的に実施されているものである。
 昭和四三年の第一八回「社会を明るくする運動」は,「社会環境の浄化と青少年非行の防止」を重点目標として,種々の活動が行なわれた。そのうち,保護観察所が中心となって実施した行事としては,講演会,座談会その他集会の開催回数五,〇二八回(参加延人員三四〇,三〇七人),ラジオ放送五四七回,テレビ放送一,〇一三回,映画会開催四二四回(参加延人員四七,〇六一人),新聞掲載五六〇回,官公庁・団体広報誌掲載五六〇回,一般雑誌掲載七八回,その他パレード,弁論大会,作品展示会等三,九五五回(参加延人員七三九,六一二人)等である。
 このようにして,この運動は,しだいに地域社会の理解と協力を強め,国民による運動として,社会に定着しつつあるが,この運動を社会の深層部へ浸透させ,真の犯罪予防の効果をあげるためには,その実施方法について,さらに具体的に掘り下げた検討を要するとの意見もある。