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 昭和35年版 犯罪白書 第四編/第二章/三/8 

8 出院者の成績

 少年院の出院者が,そこでうけた矯正教育によって,どの程度に社会適応の状況をしめすにいたるか,すなわち,少年院処遇の効果の測定については,まだ,細密な実証的研究はない。ただ,各施設で小規模に行なわれている調査によれば,施設の種類によってかなりの差異はあるが,おおむね,つぎのようなことがいえる。
(一) 追跡期間を二年程度にとると,二〇パーセントから三〇パーセントが再犯に陥っている(たとえば,千葉星華学院二〇・七パーセント,有明高原寮二七・五パーセント,人吉農芸学院二〇・八パーセント,関東医療少年院二四・八パーセント,榛名女子学園二八・九パーセント)。
(二) これに対し,保護者や保護司などから,成績良好者として回答された者も,また,三〇パーセント程度をしめしている。
(三) その他の四〇パーセントから五〇パーセントは,普通と評定された者か,回答のない者である(保護者や保護司に照会したのに対する回答率は,おおむね七五パーセントである)。したがって,この部分は,動揺の多い部分で,追跡期間を長くとると,このなかから成績不良者のでてくることが予想される。