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 昭和35年版 犯罪白書 第四編/第二章/四 

四 少年刑務所

 少年に対する懲役,禁錮など自由刑は,成人の場合とはちがって,少年刑務所で執行する。現在のところ,少年刑務所は,川越,水戸,松本,姫路,奈良,岩国,佐賀,盛岡,函館の九ヵ所である。収容分類の基準においてD級の指定をうけた者が,少年刑務所に収容されるが(第三編第二章一3(二)参照),それは,不定期刑の言渡をうけた少年である。不定期刑というのは,自由刑の言渡のさいに短期と長期とをさだめ,収容中に本人の改善の度合に応じて,この短期と長期とのあいだに釈放するのを原則とする制度である。あらかじめ釈放の時期をさだめて,その時期がこなければ原則として釈放できないという定期刑では,ちようど,あらかじめ退院の時期をさだめて病人を入院させるようなもので,弾力性がない。不定期刑は,自由刑に弾力性をあたえようとするものである。少年は,不定期刑がとられているという意味でも,一般の刑務所とは別の場所で自由刑を執行しなければならない理由があるわけである。しかし,わが国の法律や裁判の慣行では,短期と長期とのあいだに,さまで長い期間がおかれていない。また,反面において,一般の定期刑でも,刑期の三分の一をすぎれば仮釈放ができるという広範囲な仮釈放の制度があるので,少年の不定期刑というものも,さして目だったものとはされていない。