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 昭和35年版 犯罪白書 第四編/第一章/二/7 

7 要約

 以上の分析によって,戦後における少年犯罪が,量的にも質的にも,憂うべき状態に立ちいたっていることが明らかにされた。少年犯罪の近時における激増は,少年人口の漸増や取締規準の厳格化などによって説明する限界をはるかにこえ,異常な様相を呈している。
 とくに,いわゆるローティーン(一四才以上一五才未満の年少少年)層において犯罪が急増しつつあることや,中流層に増加していることを忘れてはならない。また,青少年犯罪の増加が,強姦,粗暴犯または強盗のような人身に対する暴力的攻撃を主とした犯罪,なかんずく性的な犯罪についていちじるしいこと,および,大都市において少年犯罪が暴力化しつつあることに注目しなければならない。