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令和4年版 犯罪白書 第8編/第4章/第3節/1

1 周囲の環境に対する意識

対象者(刑事施設入所者及び保護観察対象者(20歳以上の者)をいう。以下この節において同じ。)の家庭生活に対する満足度を犯罪類型別に見ると、8-4-3-1図のとおりである。「満足」の構成比は、対象者全体では52.1%であり、犯罪類型別では、交通事犯類型(68.1%)が最も高く、次いで、性犯類型(64.9%)、粗暴犯類型(62.2%)の順であった。「不満」の構成比は、対象者全体では13.6%であり、犯罪類型別では、重大事犯類型(20.3%)が最も高く、次いで、窃盗事犯類型(16.4%)、詐欺事犯類型(12.4%)の順であった。

8-4-3-1図 犯罪者 家庭生活に対する満足度(犯罪類型別)
8-4-3-1図 犯罪者 家庭生活に対する満足度(犯罪類型別)
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友人関係に対する満足度を犯罪類型別に見ると、8-4-3-2図のとおりである。「満足」の構成比は、対象者全体では48.0%であり、犯罪類型別では、交通事犯類型(66.7%)が最も高く、次いで、詐欺事犯類型(63.9%)、粗暴犯類型(57.4%)の順であった。「不満」の構成比は、対象者全体では10.5%であり、犯罪類型別では、性犯類型(16.2%)が最も高く、次いで、重大事犯類型(12.9%)、窃盗事犯類型(12.5%)の順であった。

8-4-3-2図 犯罪者 友人関係に対する満足度(犯罪類型別)
8-4-3-2図 犯罪者 友人関係に対する満足度(犯罪類型別)
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対象者が日常的に接している家族や友達等を含む周囲の人々をどのように評価しているかなど周囲の人々との関係を見るため、「悩みを打ち明けられる人」の該当率を犯罪類型別に見ると、8-4-3-3図のとおりである。いずれの犯罪類型においても、「同性の友達」及び「母親」が上位3項目に入っていた。犯罪類型別では、重大事犯類型は、「母親」(37.5%)、「兄弟姉妹」(32.8%)、「同性の友達」(25.0%)、粗暴犯類型は、「同性の友達」、「母親」及び「配偶者」(それぞれ31.3%)、窃盗事犯類型は、「同性の友達」(33.9%)、「誰もいない」(21.3%)、「母親」(19.5%)、詐欺事犯類型は、「同性の友達」(53.1%)、「母親」(32.7%)、「配偶者」(22.4%)、性犯類型は、「母親」(50.0%)、「同性の友達」(39.5%)、「父親」(34.2%)、薬物事犯類型は、「同性の友達」(43.0%)、「配偶者」(40.6%)、「母親」及び「先輩」(それぞれ24.9%)、交通事犯類型は、「同性の友達」(48.0%)、「配偶者」(36.0%)、「母親」及び「兄弟姉妹」(それぞれ26.0%)の順であった。また、「誰もいない」の該当率を見ると、窃盗事犯類型(21.3%)が最も高く、次いで、重大事犯類型(18.8%)、粗暴犯類型(12.5%)の順であった(総数及び総数における各項目の該当率については、CD-ROM参照)。

8-4-3-3図 犯罪者 悩みを打ち明けられる人(犯罪類型別)
8-4-3-3図 犯罪者 悩みを打ち明けられる人(犯罪類型別)
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対象者の学校生活に対する意識を見るため、「学校に行くのがいやだった」及び「同級生から理解されていた」の項目について、「あてはまる」及び「あてはまらない」の構成比を犯罪類型別に見ると、8-4-3-4図のとおりである。「学校に行くのがいやだった」の項目について「あてはまる」に該当する者の構成比は、対象者全体では44.4%であり、犯罪類型別では、重大事犯類型(54.7%)が最も高く、次いで、粗暴犯類型(53.3%)、性犯類型(47.4%)の順であった。「同級生から理解されていた」の項目について「あてはまる」に該当する者の構成比は、対象者全体では58.4%であり、犯罪類型別では、交通事犯類型(73.5%)が最も高く、次いで、性犯類型(68.4%)、詐欺事犯類型(64.9%)の順であった。

8-4-3-4図 犯罪者 学校生活に対する意識(犯罪類型別)
8-4-3-4図 犯罪者 学校生活に対する意識(犯罪類型別)
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対象者の就労に対する意識を見るため、「汗水流して働くより、楽に金を稼げる仕事がしたい」及び「仕事について夢や目標を持っている」の項目について、「そう思う」及び「そう思わない」の構成比を犯罪類型別に見ると、8-4-3-5図のとおりである。「汗水流して働くより、楽に金を稼げる仕事がしたい」の項目について「そう思う」に該当する者の構成比は、対象者全体では41.7%であり、犯罪類型別では、粗暴犯類型(51.1%)が最も高く、次いで、重大事犯類型(46.0%)、詐欺事犯類型(43.9%)の順であった。「仕事について夢や目標を持っている」の項目について「そう思う」に該当する者の構成比は、対象者全体では73.3%であり、犯罪類型別では、交通事犯類型(82.0%)が最も高く、次いで、詐欺事犯類型(79.6%)、粗暴犯類型(76.6%)の順であった。

8-4-3-5図 犯罪者 就労に対する意識(犯罪類型別)
8-4-3-5図 犯罪者 就労に対する意識(犯罪類型別)
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対象者の地域社会に対する意識を見るため、「地域のお祭りなど行事にはよく参加した」及び「地域の人は、困ったときに力になってくれる」の項目について、「あてはまる」及び「あてはまらない」の構成比を犯罪類型別に見ると、8-4-3-6図のとおりである。「地域のお祭りなど行事にはよく参加した」の項目について「あてはまる」に該当する者の構成比は、対象者全体では47.7%であり、犯罪類型別では、交通事犯類型(62.0%)が最も高く、次いで、薬物事犯類型(52.6%)、粗暴犯類型(50.0%)の順であった。「地域の人は、困ったときに力になってくれる」の項目について「あてはまる」に該当する者の構成比は、対象者全体では32.3%であり、犯罪類型別では、交通事犯類型(38.0%)が最も高く、次いで、薬物事犯類型(37.3%)、粗暴犯類型(35.4%)の順であった。

8-4-3-6図 犯罪者 地域社会に対する意識(犯罪類型別)
8-4-3-6図 犯罪者 地域社会に対する意識(犯罪類型別)
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社会に対する満足度を犯罪類型別に見ると、8-4-3-7図のとおりである。「満足」の構成比は、対象者全体では23.2%であり、犯罪類型別では、交通事犯類型(38.3%)が最も高く、次いで、薬物事犯類型(27.5%)、詐欺事犯類型(22.9%)の順であった。「不満」の構成比は、対象者全体では19.3%であり、犯罪類型別では、窃盗事犯類型(23.1%)が最も高く、次いで、重大事犯類型(22.6%)、性犯類型(21.1%)の順であった。

8-4-3-7図 犯罪者 社会に対する満足度(犯罪類型別)
8-4-3-7図 犯罪者 社会に対する満足度(犯罪類型別)
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社会を「不満」とする者の主要な理由(本章第2節1項の*3参照)についての該当率を見ると、対象者全体では、「金持ちと貧乏な人との差が大きすぎる」(58.5%)が最も高く、次いで、「まじめな人がむくわれない」(45.9%)、「正しいと思うことが通らない」(41.5%)の順であった。犯罪類型別に見ると、「金持ちと貧乏な人との差が大きすぎる」は、交通事犯類型(87.5%)が最も高く、薬物事犯類型(45.7%)が最も低かった。「まじめな人がむくわれない」は、性犯類型(87.5%)が最も高く、詐欺事犯類型(26.7%)が最も低かった。「正しいと思うことが通らない」は、性犯類型(62.5%)が最も高く、交通事犯類型(25.0%)が最も低かった。