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 昭和40年版 犯罪白書 第二編/第一章/一/7 

7 検察官上訴

 昭和三八年中に検察官が控訴を申し立てた事件の被告人の総数は一,四九四人であり,そのうち検察官のみが控訴したものは九八〇人,検察官と被告人側の双方から控訴したものが五一四人である。
 そして,検察官控訴の事件で,昭和三八年中に控訴審の判決が下された総数は一,二三八人であり,その判決の内容はII-10表のとおりである。

II-10表 検察官控訴事件裁判結果(昭和38年)

 この表で最も多いのは,刑を重くしたもので四一・〇%,次に多いのは,控訴棄却で三七・九%である。検察官控訴の理由のあったことが明らかなものは,刑を重くしたものと,あらたに有罪となったもので,その合計は総数の四八・一%となっている。
 次に,第一審判決が無罪であったものに対し,検察官が控訴した数は一五六人で,その内訳は,法令違反を控訴理由とするものが三五人,事実誤認を控訴理由とするものが一二一人となっている。そして,その控訴判決の結果をみると,破棄自判してあらたに有罪としたもの九四人(六〇・三%),破棄差もどし・破棄移送一四人(九・〇%),控訴棄却四七人(三〇・一%),その他一人(〇・六%)である。
 次に検察官上告であるが,昭和三八年中に検察官が上告を申し立てた事件の被告人の総数は二九人で,そのうち検察官のみが上告申立てをしたものが二一人,双方から申し立てたものが八人である。
 検察官が上告した事件で,昭和三八年中に上告審の判決のあったものの総数は四四人であり,その内容は,破棄自判してあらたに有罪としたものが五人,破棄差もどし・破棄移送が八人,上告棄却が三一人となっている。