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 平成13年版 犯罪白書 第4編/第5章/第5節/5 

5 調査対象者の成り行き

(1) 保護観察終了時の状況

 IV-77図は,保護観察の終了事由別構成比を事件の種別に見たものである。これを一般群と比較すると,調査対象者では,良好措置である解除(一般群76.6%),退院(同19.1%)の割合がともに低い。一方,不良措置である仮出獄取消しの割合は低く(同7.0%),執行猶予取消しは高くなっている(同32.1%)。なお,保護観察付き執行猶予者のうち,良好措置である仮解除の措置が執られた者は8.5%であった。

IV-77図 保護観察の終了事由別構成比

 保護観察終了時の成績では,良好(仮解除中の者を含む。)が55.7%,普通が21.9%,不良(所在不明及び身柄拘束中の者を含む。)が22.4%となっている。

(2) 再犯・再非行の状況

 IV-56表は,保護観察期間中の再犯・再非行による処分等について見たものである。処分を受けた者の比率は,保護観察処分少年19.2%(一般群16.5%),少年院仮退院者17.1%(同23.1%),仮出獄者2.5%(同1.0%),保護観察付き執行猶予者45.8%(同35.7%),総数では18.2%(同14.7%)となっており,全般的に,一般群に比べて調査対象者の方が,その比率が高くなっている。

IV-56表 保護観察期間中の再犯・再非行による処分等

 再犯・再非行の罪名・非行名を見ると,窃盗(50.5%),道路交通法違反(17.5%),傷害(8.7%)などとなっている(再犯・再非行の定義については,第3編第2章第6節参照)。