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 平成 4年版 犯罪白書 第3編/第1章/第2節/7 

7 学校と非行

 学校は,少年にとって,家庭と共に身近な生活環境であり,しかも,近年高校進学率が9割を超えており,少年と学校生活との関係は,一層深まっている。
 III-14表は,最近5年間における交通関係業過を除く少年刑法犯について,中学生・高校生別検挙人員と,その在学生総数1,000人に対する比率を見たものである。平成3年の検挙人員は,中学生及び高校生共に前年より減少しているが,検挙人員の在学生数1,000人当たりの比率は,中学生では下降したものの,高校生ではわずかに上昇している。

III-7図 家庭内暴力少年の学職別構成比

III-8図 家庭内暴力少年の対象別構成比

III-14表 少年刑法犯の中学生・高校生別検挙人員及びその在学生に対する比率

III-15表 犯罪少年の学職・罪名別構成比

 法務省の特別調査によると,平成3年における学職別に見た犯罪少年の罪名別構成比は,III-15表に示すとおりである。有職,無職,学生・生徒を問わず,窃盗の占める比率は高いが,特に学生・生徒では65.5%と高い。暴行,傷害,脅迫,恐喝を合わせた粗暴な犯罪は,有職者が12.3%,無職者が10.2%,学生・生徒が8.5%の順に低くなっている。
 III-16表は,最近5年間における校内暴力事件の検挙状況を見たものである。平成3年を前年と比較すると,検挙件数は155件(19.9%),検挙人員は558人(24.7%),被害者数は420人(29.8%),それぞれ大幅な減少を示している。

III-16表 校内暴力事件の検挙状況