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 昭和63年版 犯罪白書 第2編/第2章/第2節/4 

4 刑の執行猶予

 昭和35年以降27年間の有期懲役・禁錮確定人員中の執行猶予率の推移を見ると,II-2図のとおりである。懲役に対する執行猶予率は,35年の51.5%から若干の起伏を示しながら推移し,62年には55.1%となっている。禁錮に対する執行猶予率は,懲役に対するものより高く,35年の78.0%から62年の93.3%へと推移している。

II-2図 有期懲役・禁錮確定人員中の執行猶予率

II-15表 初度・再度別執行猶予確定人員

 II-15表は,最近5年間における執行猶予の初度・再度別確定人員を見たものである。いずれの年次においても,執行猶予人員の95%ないし97%が,初度の者で占められている。初度の執行猶予者で保護観察に付された者の比率は,昭和62年は12.5%である。なお,司法統計年報によれば,61年中に地方裁判所及び簡易裁判所において刑法犯で有罪判決の言渡しを受けた者のうち,犯行時に執行猶予中であった者は4,130人で,そのうち再度の執行猶予の言渡しを受けた者は931人(22.5%)となっている。
 II-16表は,最近3年間の執行猶予取消人員を取消事由別に見たものである。取消人員は,昭和62年には前年より396人(6.7%)減の5,488人となっている。取消事由は,再犯により禁錮以上の刑に処されたことによるものが95.7%と,圧倒的多数を占めている。ある,年次における執行猶予確定人員と,その年次における執行猶予取消人員とはその対象を異にするので,前者に対する後者の比率は,厳密な意味での執行猶予取消率とは言えないが,執行猶予取消しのおおよその傾向を知るため,従来から前記比率を算出して執行猶予取消率と称してきた。この取消率は,62年では,前年より0.7ポイント低下して12.9%となっている。