(1)　死刑，懲役及び禁錮
　II-12表は，昭和61年中の第一審裁判所における死刑，懲役及び禁錮の科刑状況を，罪名別に見たものであり，II-13表は，40年以降5年間ごとに死刑言渡人員を罪名別に見たものである。死刑言渡人員は，40年代後半著しく減少したが，50年代に入り増加の傾向を見せ，61年は5人，62年は6人，63年は6月末日現在で7人となっている。無期懲役言渡人員は36人であり，有期の懲役・禁錮の科刑状況を刑期別に見ると，刑期1年未満の者が全体の39.2%を占め，刑期が3年を超える者は3.9%にとどまる。刑期が10年を超える者は，総数で158人であり，罪名別に見ると殺人129人，強盗致死傷11人，放火6人，覚せい剤取締法違反4人などとなっている。
(2)　罰　　金
　II-14表は，昭和61年中の第一審の裁判(略式命令を含む。)における罰金の科刑状況を罪名別に見たものである。5万円未満の罰金に処された者が，総数の88.5%を占め，そのうち89.2%が道交違反によるものである。10万円以上の罰金に処された者は，総数では3.6%であるが，業過では19.2%と高率になっている。

II-12表　罪名別死刑・懲役・禁錮の第一審科刑状況

II-13表　罪名別第一審の死刑言渡人員

II-14表　罪名別罰金の第一審科刑状況