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 昭和62年版 犯罪白書 第3編/第1章/第2節/5 

5 家庭と非行

 家庭は,少年の成長と発達にとって基本的に重要な影響を与える環境であり,少年非行との関連が古くから着目されてきた。
 III-12表及びIII-13表は,一般保護少年を家庭の保護者の状況別及び生活程度別構成比で見たものである。7割強は実父母がそろい,8割強が経済的に普通以上の家庭の少年となっている。
 III-4図は,非行少年の保護者の養育態度について見たものであり,保護者の養育態度に何らかの問題のあった少年は,放任51.2%,甘やかし・過保護14.9%など合わせて70.6%にも上っている。

III-4図 保護者の養育態度別構成比(昭和61年)

III-5図 家庭内暴力少年の学職別構成比(昭和61年)

III-6図 家庭内暴力の対象別構成比(昭和61年)

 ところで,家庭内暴力は,昭和61年には前年よりも更に減少し,856人となっている。III-5図及びIII-6図は,この家庭内暴力事犯少年について,学職別構成比及び暴力の対象別構成比を見たものである。学職別では中学生が最も多く,32.7%を占めている。暴力の対象別では,母親が63.4%で最も多く,以下,父親13.3%,物(家財道具等)11.4%,同居の親族8.6%の順となっている。