前の項目   次の項目        目次   図表目次   年版選択
 昭和56年版 犯罪白書 第3編/第1章/第2節/6 

6 審理期間

 III-24表は,昭和52年以降の3年間の通常第一審における審理期間を地方裁判所及び簡易裁判所別に見たものである。地方裁判所について見ると,3か月以内に終局に至るものの比率は逐年上昇を続け,54年では前年より1.9%増加して61.4%と6割を超えており,審理期間の短縮化が進んでいるといえよう。ただ,1年を超えるものの比率が前年よりわずかではあるが上昇しており,今後の動向が注目される。次に,簡易裁判所について見ると,3か月以内に終局に至るものの比率がわずかではあるが上昇し,3か月を超えるものの比率がわずかではあるがいずれも下降しており,審理期間の短縮化が進められているといえよう。

III-24表 通常第一審の審理期間の構成比

 次に,起訴時を起算点とする上訴審の審理期間を昭和52年以降の3年間について見ると,III-25表のとおりである。控訴審について見ると,6か月以内に終局に至るものの比率は,53年の18.4%から54年には20.8%と上昇し,6か月を超え1年以内,1年を超え3年以内,3年を超えるものの比率はいずれも前年より減少しており,控訴審においても審理期間の短縮化に向かっているといえよう。上告審について見ると,54年には,1年以内に終局に至るものの比率が前年より1.9%上昇するとともに,7年を超えるものの比率が前年より4.9%も大幅に下降しており,審理期間は大幅に短縮されているといえよう。以上のとおり全般的に見て審理期間は短縮化に向かっており,迅速裁判の要請にこたえているといえよう。

III-25表 起訴から上訴審終局までの審理期間の構成比