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 昭和56年版 犯罪白書 第3編/第1章/第2節/5 

5 勾留と保釈

 III-22表は,昭和52年以降の3年間における通常第一審の被告人のうち,勾留された者の比率(勾留率)及びその中で保釈を許可された者の比率(保釈率)を地方裁判所及び簡易裁判所につき,それぞれ見たものである。地方裁判所について見ると,54年の勾留率は69.1%で,前年より0.6%,保釈率は40.0%で前年より0.7%それぞれ減少している。勾留期間について見ると,54年には,1か月以内及び3か月を超える者の比率が前年よりやや下降し,1か月を超え3か月以内の者の比率がやや上昇している。簡易裁判所について見ると,54年の勾留率は,77.5%で前年より0.8%減少し,保釈率は前年と同じ17.3%となっている。地方裁判所と簡易裁判所を比較すると,勾留率は簡易裁判所が高く,保釈率は地方裁判所が極端に高くなっている。
 III-23表は,昭和52年以降の8年間について,保釈許可決定における保釈保証金の金額を見たものである。52年には50万円未満が全体の34.8%を占め,70万円以上100万円未満が16.1%,100万円以上300万円未満が12.7%であったのに対し,54年では50万円未満は16.8%と半減し,70万円以上100万円未満が25.1%,100万円以上300万円未満が24.2%と上昇しており,保釈保証金の高額化が顕著に現れている。

III-23表 通常第一審の保証金額別保釈許可決定(昭和52年〜54年)