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1 被疑事件の受理 昭和四二年中の全国の検察庁における新規受理人員数(新規に検察庁で受理した司法警察職員からの送致・送付にかかる人員数および検察官の認知・直受にかかる人員数をいう。以下,本章において同じ。)は,五,七〇〇,七三七人である。これを刑法犯(準刑法犯を含む。以下,本章において同じ。),道路交通法違反(以下,本章において,「道交違反」という。)および道交違反以外の特別法犯(以下,本章において,「特別法犯」という。)の別に,昭和四一年の数とともに示すと,I-35表のとおりとなる。総数のうち,刑法犯は一五・六%,特別法犯は四・三%にすぎず,道交違反が八〇・二%を占めている。昭和四二年の数字を前年と比較すると,総数において,三・六%増加しており,その内訳をみると,刑法犯が五・四%,道交違反が二・〇%の増加にとどまるのに対し,特別法犯は,三五・九%という大幅な増加をみせている。刑法犯の増加は,主として,業務上過失致死傷の増加によるものであり,特別法犯の増加は,主として,昭和四二年に衆議院議員総選挙および統一地方選挙が施行され,その際,多数の公職選挙法違反の被疑者が検挙されたため,同法違反の新規受理人員が著しく多かったことに基づくものである。
I-35表 検察庁新規受理人員の内訳(昭和41,42年) 次に,昭和四二年中における刑法犯の新規受理人員数を,主要罪名別に分けて円グラフにしたのが,I-7図で,これを前年と対比してみると,I-36表のとおりとなる。構成割合をみると,業務上過失致死傷が最も多く,刑法犯受理総数の四九・六%を占め,次いで,窃盗一九・九%,傷害・暴行一三・〇%,詐欺三・〇%,恐喝一・九%,暴力行為等処罰に関する法律違反一・八%の順となっている。前年と比べて増加しているのは,業務上過失致死傷の増加率二五・八%のほかは,傷害致死九・七%,公務執行妨害七・一%および失火三・三%のみで,他は,いずれも減少しており,減少率の高いのは,贈収賄三〇・二%,強盗二七・〇%,賍物二一・八%,賭博・富くじ一九・八%等である。I-7図 刑法犯主要罪名別検察庁新規受理人員の構成比(昭和42年) I-36表 刑法犯主要罪名別検察庁新規受理人員(昭和41,42年) |