前の項目   次の項目        目次   図表目次   年版選択
 昭和43年版 犯罪白書 第一編/第一章/四/1 

1 イギリス

 イギリス(イングランドとウェールズ)における一九六〇年から一九六六年までの要正式起訴犯罪の発生件数の推移を,主要罪名別に示すと,I-31表のとおりである。要正式起訴犯罪(indictable offences)は,原則として,正式起訴状に基づいて審理・裁判されるべき叛逆罪・重罪および軽罪をいい,ほぼ,わが国の刑法犯にあたるものである。この種犯罪は,イギリスにおいては,逐年増加を続けており,とくに,わが国において減少の傾向を示している窃盗,詐欺等の財産犯および強盗,殺人等の凶悪犯が,増加を続けていることは注目される。すなわち,I-34表により,わが国における一九六六年の主要刑法犯の発生件数をみると,前年より増加を示しているのは,業務上過失致死傷(一五・四%増)と傷害・同致死(〇・六%増)のみであり,その他の犯罪は,いずれも減少し,とくに,恐喝,強盗,横領,詐欺等の減少は,顕著であり,さらに,これを一九六〇年に比べると,業務上過失致死傷が約二・六倍に増加し,強姦・同致死傷がほぼ同水準を保っているのを除き,いずれも,減少を示している。これに反し,イギリスにおいては,一九六五年に比べて減少したのは,わずかに,横領(二〇・八%減)と放火(一・二%減)のみであり,他は,いずれも増加し,とくに,強盗は,約二〇%の増加を示している。また,一九六〇年に比べると,一九六六年は,どの罪名においても,これを上回っており,なかでも,強盗は,約二・二倍に増加している。

I-31表 要正式起訴犯罪発生件数 イギリス(イングランドとウェールズ)(1960〜1966年)

I-34表 刑法犯発生件数 日本(1960〜1966年)