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 昭和42年版 犯罪白書 第二編/第三章/五/1 

1 保護観察所による犯罪予防活動の状況

 保護観察所による犯罪予防活動のうち,最も大きなものものは,「社会を明るくする運動」の行事を中心に展開される種々の犯罪予防活動である。「社会を明るくする運動」は,昭和二六年以来,毎年一回,七月の一か月間,法務省主唱のもとに,広く関係機関,団体の協力を得て,中央,地方に,その実施委員会を置き,全国的に実施されているものである。
 昭和四一年の第一六回「社会を明るくする運動」は,「青少年の非行防止」をその重点目標にして,種々の行事を行なった。そのうち,保護観察所が中心となって実施した行事としては,講演会・座談会の開催回数四,七四九回(参加延人員三五三,七二二人),ラジオ放送六七四回,テレビ放送三三二回,映画会開催三三八回(参加延人員四二,三七四人),新聞掲載八九四回,官公庁団体広報誌掲載九四四回,一般雑誌掲載一六四回,その他パレード,弁論大会,展示会等三,二〇〇回(参加延人員七一二,六九二人)等である。
 このようにして,「社会を明るくする運動」は,昭和四一年で一六回を数え,人々のいっそうの理解と協力を得て,社会に定着しつつあるが,さらに,この運動を社会のいわゆる深層部へ浸透させ,真の犯罪予防の効果をあげるためには,その実施方法について,単に,行事の多様性,規模,動員数等の表面的なとらえ方でなく,その内容,実質的な効果について,もっと具体的に掘り下げた検討を要するのではないかと考えられる。