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令和7年版 犯罪白書 第2編/第6章/第1節

第6章 刑事司法における国際協力
第1節 刑事司法における国際的な取組の動向

国際連合(以下この章において「国連」という。)は、昭和30年(1955年)から5年ごとに、国連犯罪防止刑事司法会議コングレス)を開催している。コングレスは、犯罪防止及び刑事司法分野における国連最大の国際会議で、この分野に関する政策の大綱の決定、意見交換等を目的として開催されており、令和3年(2021年)3月には、京都において第14回コングレス(京都コングレス)が開催され、我が国がホスト国を務めた。

また、平成4年(1992年)に、国連経済社会理事会の下に、機能委員会として国連犯罪防止刑事司法委員会コミッション)が設置され、毎年開かれる会合において犯罪防止及び刑事司法分野の政策決定が行われているところ、我が国は、コミッションの設立当初から、委員国として、毎年の会合に、決議案の提出などにより積極的に関与している。

さらに、法務省は、令和5年(2023年)7月、東京において、司法外交閣僚フォーラムを主催した。同フォーラムは、日ASEAN特別法務大臣会合、G7司法大臣会合及びASEAN・G7法務大臣特別対話の三つの閣僚級会合で構成され、同フォーラムにより、法の支配を通じたASEAN及びG7との連携の強化、司法外交の一層の推進が図られた。

同フォーラムの成果として、我が国の提案により、ASEAN・G7ネクスト・リーダーズ・フォーラム及びウクライナ汚職対策タスクフォースの創設がそれぞれ合意された。ASEAN・G7ネクスト・リーダーズ・フォーラムは、ASEANとG7の法務・司法分野の次世代を担う若手職員(ネクスト・リーダーズ)を対象とし、対話を通じた相互理解と信頼関係の構築及び法の支配の推進に貢献する国際法務人材の育成を目的としており、その第1回会合を令和6年(2024年)6月から7月にかけて東京において開催し、55名の参加を得て、各国が抱える政策的課題についての意見交換や法の支配に関する各国共通の課題についての協議を行うなどした。また、ウクライナ汚職対策タスクフォースは、G7司法大臣会合において、司法インフラ整備等を通じたウクライナ復興支援策として、各国の同意を得て設置された。2回のオンライン会合を経て、初めて対面方式で第3回会合を同年11月に東京において開催し、これまでに蓄積した情報を一元的に集積・分析することを通じて、効果的な汚職対策支援の在り方を議論した。

日ASEAN特別法務大臣会合では、共同声明が採択され、具体的な協力分野を取りまとめた日ASEAN法務・司法ワークプランが承認された。法務省では、このワークプランに掲げられた取組を ASEANと協力しながら進めており、例えば、令和6年(2024年)12月には、ASEAN の知的財産分野の実務家による情報共有を目的として、国際知財司法シンポジウム(JSIP)フォローアップセミナーをインドネシアにおいて開催し、同年12月には、国連アジア極東犯罪防止研修所(UNAFEI)により、ASEAN 各国等の捜査共助と犯罪者処遇等の能力構築のため、刑事司法実務家等を対象とする「第1回日 ASEAN 刑事司法セミナー」を日本において開催した。