我が国の総人口は、平成17年に戦後初めて前年を下回った後、20年にピークとなり、23年以降、13年連続で減少している。令和5年10月1日現在の総人口は1億2,435万2千人であり、総人口を男女別にみると、女性は6,385万9千人(総人口に占める割合51.4%)と、前年と比べ33万人(0.5%)減少しており、男性は6,049万2千人(同48.6%)と、前年と比べ26万5千人(0.4%)減少している。人口性比(女性100人に対する男性の数をいう。)は94.7となっており、女性が男性よりも336万7千人多くなっている(総務省統計局の人口資料による)。
7-2-2図は、14歳以上の年齢層別人口の推移を男女別に見たものである。男女共に14~19歳及び20~29歳の人口はいずれも減少傾向にあるのに対し、65歳以上の人口は平成6年以降増加傾向にあり、令和5年は女性が約2,051万人、男性が約1,571万人と、いずれも平成6年の約2倍であった。
7-2-3図は、年齢層別就業率及び雇用形態別構成比の推移を男女別に見たものである。就業率について見ると、男女共に55~64歳の就業率が上昇している。また、女性はいずれの年齢層においても男性よりも就業率が低く、令和5年では、男性の就業率は25~34歳、35~44歳、45~54歳及び55~64歳のいずれも9割前後であるのに対し、女性の就業率はいずれも7~8割程度となっている。雇用形態別構成比について見ると、平成16年から令和5年までの間に大きな変化はなく、女性では、「正規」及び「パート・アルバイト」がいずれも40%台であるのに対し、男性では、「正規」が70~80%台を占め、「パート・アルバイト」は10%前後である。
7-2-4図<1>は、世帯数の推移を世帯構造別に見たもの、7-2-4図<2>は、65歳以上の高齢者の家族形態別構成比の推移を男女別に見たものである。
7-2-4図<1>を見ると、世帯数の総数は、平成10年から増加傾向にあり、令和4年は5,431万世帯であった。単独世帯及び夫婦のみの世帯は、いずれも増加傾向にあり、平成10年はそれぞれ1,062万7千世帯(世帯総数の約23.9%)、878万1千世帯(同19.7%)であったが、令和4年はそれぞれ1,785万2千世帯(同32.9%)、1,333万世帯(同24.5%)であった。他方、三世代世帯は、減少傾向にあり、平成10年は512万5千世帯(同11.5%)であったが、令和4年は208万6千世帯(同3.8%)であった。
7-2-4図<2>を見ると、男女共に、単独世帯及び夫婦のみの世帯の者の構成比はいずれも上昇傾向にあるが、子と同居世帯の者の構成比は低下傾向にある。令和4年の単独世帯及び夫婦のみの世帯の者の構成比は、女性ではそれぞれ25.3%、34.8%、男性ではそれぞれ17.2%、47.7%であった。
7-2-5図は、内閣官房孤独・孤立対策担当室(当時)が16歳以上の個人を対象に実施した「人々のつながりに関する基礎調査(令和5年)」の調査結果を基に孤独の状況について男女別に見たものである。これは、孤独という主観的な感情を間接質問により数値的に測定するために考案された「UCLA孤独感尺度」(Russell DW、1996)の日本語版(舛田他、2012)の3項目短縮版(Arimoto A & Tadaka E、2019)に基づく質問で、「あなたは、自分には人とのつきあいがないと感じることがありますか。」、「あなたは、自分は取り残されていると感じることがありますか。」、「あなたは、自分は他の人たちから孤立していると感じることがありますか。」の3項目に関して、「決してない」、「ほとんどない」、「時々ある」、「常にある」の4件法で回答を求めた上で、回答の結果について、「決してない」を1点、「ほとんどない」を2点、「時々ある」を3点、「常にある」を4点としてスコア化し、その合計スコアについて、「10~12点(常にある)」、「7~9点(時々ある)」、「4~6点(ほとんどない)」、「3点(決してない)」の4区分に整理したものである。
女性は「4~6点(ほとんどない)」の構成比が最も高く、次いで「7~9点(時々ある)」、「3点(決してない)」の順であった。男性は「7~9点(時々ある)」の構成比が最も高く、次いで「4~6点(ほとんどない)」、「3点(決してない)」の順であった。
7-2-6図は、内閣府男女共同参画局が18歳以上59歳以下の男女を対象に実施した「男女間における暴力に関する調査(令和5年度)」の調査結果を基に配偶者及び交際相手からの暴力の被害経験の有無を男女別に見たものである。なお、暴力とは、「身体的暴行」、「心理的攻撃」、「経済的圧迫」及び「性的強要」をいう。<1>配偶者からの被害経験は、同調査の対象者のうち、これまでに結婚したことのある人に対し、これまでに配偶者から「身体的暴行」、「心理的攻撃」、「経済的圧迫」、「性的強要」の各被害を受けたことがあるかにつきそれぞれ回答を求めたものである。<2>交際相手からの被害経験は、同調査の対象者のうち、交際相手がいた(いる)人に対し、これまでに交際相手から「身体的暴行」、「心理的攻撃」、「経済的圧迫」、「性的強要」の各被害を受けたことがあるかにつきそれぞれ回答を求めたものである。
男女共に、配偶者からの被害経験及び交際相手からの被害経験のいずれも、全ての項目で「まったくない」の構成比は8~9割程度であり、女性は男性と比べて「ある」の構成比が高かった。また、各項目について、総じて配偶者からの被害経験の方が、交際相手からの被害経験よりも、「ある」の構成比が高かった。