人身取引は重大な人権侵害であり、令和4年12月、犯罪対策閣僚会議において、近年の人身取引対策に係る情勢に適切に対処し、政府一体となった総合的かつ包括的な人身取引対策を更に推進するため、人身取引対策行動計画2014を改定した人身取引対策行動計画2022が策定され、潜在的被害者に対する被害申告先、被害者保護施策の周知、外国語による窓口対応の強化、技能実習生等に対する労働搾取を目的とした人身取引の取締りの徹底等の施策が掲げられた。
発見された女性の人身取引被害者については、必要に応じ、女性相談支援センター(令和6年4月から婦人相談所が名称変更)が一時保護を行い、又は民間シェルター等に一時保護を委託するなどして、その保護を行っている。4年度においては、婦人相談所が一時保護を行った被害者数は2人であり、平成13年度から令和4年度までに一時保護された被害者数(婦人相談所が民間シェルター等に一時保護を委託した者を含む。)は、累計481人であった(厚生労働省社会・援護局の資料による。)。また、外国人の人身取引被害者については、被害者が不法残留等の入管法違反の状態にあっても、在留特別許可による法的地位の安定化を図っており、令和4年には、入管法違反の状態にあった人身取引被害者1人(平成17年以降の累計で195人)に在留特別許可がなされた。令和5年には、人身取引被害者8人を保護したが、いずれも在留資格を有していた(出入国在留管理庁の資料による。)。
このほか、国際移住機関(IOM)は、警察、出入国在留管理庁、女性相談支援センター等と連携し、人身取引被害者に対する帰国支援等の事業を行っており、令和5年には1か国7人(同事業が開始された平成17年5月以降の累計で9か国362人)に対する帰国・社会復帰支援が行われた(国際移住機関の資料による。)。