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令和6年版 犯罪白書 第4編/第8章/第1節

第1節 犯罪の動向

年齢層別の刑法犯検挙人員及び高齢者率(刑法犯検挙人員に占める高齢者の比率をいう。以下この節において同じ。)の推移(最近20年間)を見ると、4-8-1-1図のとおりである。

高齢者の検挙人員は、平成20年(4万8,786人)をピークとして高止まりの状況が続いた後、28年から令和4年まで減少し続けたが、5年は4万1,099人(前年比5.0%増)であった。高齢者率について見ると、他の年齢層の検挙人員の減少傾向が高齢者層と比べて大きいことから、平成28年以降も上昇傾向にあったが、令和5年は、高齢者だけでなく他の年齢層の検挙人員も増加(同9.1%増)したことから、高齢者率は低下し、22.4%(同0.7pt低下)であった。

女性高齢者の検挙人員は、平成24年(1万6,502人)をピークとして高止まりの状況が続いた後、28年から令和4年まで減少し続けたが、5年は1万2,781人(前年比4.0%増)であった。女性の高齢者率は、平成10年から29年(34.3%)まで上昇し続けた後は横ばいで推移し、令和5年は32.5%(前年比0.7pt低下)であった(1-1-1-5図参照)。

4-8-1-1図 刑法犯 検挙人員(年齢層別)・高齢者率の推移(総数・女性)
4-8-1-1図 刑法犯 検挙人員(年齢層別)・高齢者率の推移(総数・女性)
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刑法犯検挙人員の年齢層別人口比の推移(最近20年間)を見ると、4-8-1-2図のとおりである。

平成23年以降、高齢者の検挙人員のうち70歳以上は65%以上を占めているが(1-1-1-5図参照)、人口比では一貫して65~69歳を下回っており、令和5年は111.3(前年比5.8上昇)であった。一方、70歳以上の女性の検挙人員は、平成17年以降女性高齢者の検挙人員の65%以上を占め(1-1-1-5図CD-ROM参照)、人口比でも27年以降65~69歳を上回っており、令和5年は63.6(同2.7上昇)であった。

4-8-1-2図 刑法犯 検挙人員の年齢層別人口比の推移(総数・女性)
4-8-1-2図 刑法犯 検挙人員の年齢層別人口比の推移(総数・女性)
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4-8-1-3図は、令和5年における高齢者の刑法犯検挙人員の罪名別構成比を男女別に見たものである。全年齢層と比べ、高齢者は窃盗の構成比が高いが、特に、女性高齢者は、約9割が窃盗であり、そのうち万引きによるものの構成比が約8割と顕著に高い。

4-8-1-3図 刑法犯 高齢者の検挙人員の罪名別構成比(男女別)
4-8-1-3図 刑法犯 高齢者の検挙人員の罪名別構成比(男女別)
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刑法犯検挙人員の人口比の推移(最近20年間)を主な罪名別で見るとともに、これを年齢層別で見ると、4-8-1-4図のとおりである。

4-8-1-4図 刑法犯 検挙人員の年齢層別人口比の推移(罪名別)
4-8-1-4図 刑法犯 検挙人員の年齢層別人口比の推移(罪名別)
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