覚醒剤(覚醒剤原料を含む。以下この項において同じ。)及び大麻の密輸入事案(税関が関税法(昭和29年法律第61号)違反で摘発した事件に限る。ただし、警察等他機関が摘発した事件で、税関が当該事件に関与したものを含む。以下この項において同じ。)の摘発件数の推移(最近5年間)を形態別に見ると、4-2-2-2表のとおりである。覚醒剤の「航空機旅客(航空機乗組員を含む。以下この項において同じ。)による密輸入」は、令和元年の約10分の1に急減した2年に引き続き、3年も大きく減少したが、4年からは増加に転じ、5年は88件(前年比45件増)であった。同年においては、覚醒剤の「国際郵便物を利用した密輸入」(102件)及び「航空貨物(別送品を含む。)を利用した密輸入」(99件)は、前年より減少した(前年比26件減、同28件減)。大麻の「航空機旅客による密輸入」も、元年の約3分の1に急減した2年に引き続き、3年も大きく減少したが、4年からは増加に転じ、5年は63件(前年比38件増)であった。大麻の「国際郵便物を利用した密輸入」は、3年の約2分の1に減少した4年に引き続き、5年も減少し、49件(同27件減)であった。
航空機旅客による覚醒剤及び大麻の密輸入事案の摘発件数は、いわゆるコロナ禍において入国者数が減少した影響を受けて(本編第9章第1節1項参照)、令和2年に急減した可能性が考えられるが、4年からはいずれも増加に転じている。
令和5年における覚醒剤の密輸入事犯の摘発件数を仕出地別に見ると、地域別では、北米(112件)が最も多く、次いで、アジア(76件)、中南米(32件)の順であり、国・地域別では、米国(75件)が最も多く、次いで、カナダ(37件)、タイ(31件)、メキシコ(29件)の順であった(財務省関税局の資料による。)。