国際連合(以下この章において「国連」という。)においては、国連犯罪防止刑事司法会議(コングレス)が昭和30年(1955年)から5年ごとに開催されている。コングレスは、犯罪防止及び刑事司法分野における国連最大の国際会議であり、この分野に関する政策の大綱の決定、意見交換等を目的として開催されているところ、令和3年(2021年)3月には、京都において第14回コングレス(京都コングレス)が開催され、我が国がホスト国を務めた。
また、平成4年(1992年)に国連経済社会理事会の下に機能委員会として国連犯罪防止刑事司法委員会(コミッション)が設置され、毎年開かれる会合において犯罪防止及び刑事司法分野の政策決定が行われているところ、我が国は、コミッションの設立当初からメンバー国として、毎年の会合に決議案の提出などにより積極的に関与している。
さらに、法務省は、令和5年(2023年)7月、東京において、司法外交閣僚フォーラムを主催した。同フォーラムは、日ASEAN特別法務大臣会合、G7司法大臣会合及びASEAN・G7法務大臣特別対話の三つの閣僚級会合で構成され、法の支配を通じたASEAN及びG7との連携の強化、司法外交の一層の推進が図られた。
同フォーラムの成果として、我が国の提案により、ASEAN・G7ネクスト・リーダーズ・フォーラム及びウクライナ汚職対策タスクフォースの創設がそれぞれ合意された。ウクライナ汚職対策タスクフォースは、G7司法大臣会合において、司法インフラ整備等を通じたウクライナ復興支援策として、各国の同意を得て設置されたものであり、これまで2回の会合を開催しているところ、第3回会合を令和6年(2024年)11月に東京において開催する予定である。ASEAN・G7ネクスト・リーダーズ・フォーラムは、第1回会合を同年6月から7月にかけて東京において実施した(コラム5参照)。