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令和5年版 犯罪白書 第7編/第5章/第2節/3

3 就学、就労の状況
(1)中学2年の頃の勉強の仕方

7-5-2-5図は、中学2年の頃の勉強の仕方(重複計上による。以下この章において同じ。)について見たものである。少年院在院者では、「学校の授業以外で勉強はしなかった」(49.2%)の該当率が最も高く、次いで、「塾で勉強した」(17.8%)、「その他」(17.3%)の順に高かった。保護観察処分少年では、「自分で勉強した」(35.3%)の該当率が最も高く、次いで、「塾で勉強した」(33.5%)、「友達と勉強した」(30.1%)の順に高かった。

7-5-2-5図 少年に対する調査 中学2年の頃の勉強の仕方
7-5-2-5図 少年に対する調査 中学2年の頃の勉強の仕方
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内閣府が実施した調査によれば、中学2年生を対象として、ふだん学校の授業以外で、どのように勉強しているかについて尋ねた項目の結果では、「自分で勉強する」の該当率が76.7%、「塾で勉強する」の該当率が47.2%、「家の人に教えてもらう」の該当率が24.4%であり、いずれも少年院在院者、保護観察処分少年共に、一般の少年よりも該当率が低かった。一方、同結果では、「学校の授業以外で勉強はしない」及び「学校の補習を受ける」の該当率がいずれも4.9%であり、少年院在院者、保護観察処分少年共に、一般の少年よりも該当率が高かったほか、同結果では、「その他」の該当率が4.9%であり、少年院在院者が一般の少年よりも該当率が高かった(内閣府政策統括官「子供の生活状況調査の分析報告書」(令和3年12月)による。)。同結果が中学2年生を対象として調査したものであるのに対し、特別調査が中学2年生の頃について回顧的に調査したものである点には留意を要するが、一般の少年と比較すると、少年院在院者及び保護観察処分少年において、学校の授業以外での学習への取組は少ないことがうかがえた。

(2)中学2年の頃の授業の理解度

7-5-2-6図は、中学2年の頃の授業の理解度について見たものである。少年院在院者、保護観察処分少年共に、「分からなかった」(「わからないことが多かった」及び「ほとんどわからなかった」の合計。以下この章において同じ。)(それぞれ68.8%、41.6%)の構成比が最も高く、次いで、「教科による」(同21.7%、33.5%)、「分かった」(「いつもわかった」及び「だいたいわかった」の合計。以下この章において同じ。)(同9.5%、24.9%)の順であった。

7-5-2-6図 少年に対する調査 中学2年の頃の授業の理解度
7-5-2-6図 少年に対する調査 中学2年の頃の授業の理解度
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内閣府が実施した調査によれば、中学2年生を対象として、学校の授業の理解状況について尋ねた項目の結果では、「いつもわかる」の構成比が10.1%、「だいたいわかる」の構成比が34.3%であり、少年院在院者、保護観察処分少年共に、一般の少年よりも構成比が低かった。一方、同結果では、「わからないことが多い」の構成比が8.6%、「ほとんどわからない」の構成比が2.8%であり、少年院在院者、保護観察処分少年共に、一般の少年よりも構成比が高かった(内閣府政策統括官「子供の生活状況調査の分析報告書」(令和3年12月)による。)。同結果が中学2年生を対象として調査したものであるのに対し、特別調査が中学2年生の頃について回顧的に調査したものである点には留意を要するが、一般の少年と比較すると、少年院在院者、保護観察処分少年共に、中学2年生時点で、学校の授業を理解できていない者が多いことがうかがえた。

なお、「教科による」又は「分からなかった」と回答した者について、授業が分からなくなった時期を見ると、少年院在院者、保護観察処分少年共に、中学1・2年の頃と回答した者の構成比が最も高く(それぞれ41.0%、58.0%)、次いで、小学校4年生以前(同34.7%、22.0%)、小学校5・6年生の頃(同24.4%、20.0%)の順であった。

(3)学校を辞めたくなるほど悩んだ経験

7-5-2-7図は、学校を辞めたくなるほど悩んだ経験(重複計上による。以下この章において同じ。)について見たものである。少年院在院者では、「通学するのが面倒」(45.9%)の該当率が最も高く、次いで、「問題のある行動や非行をした」(45.0%)、「勉強についていけない」(34.2%)の順に高かった。保護観察処分少年では、「学校をやめたくなるほど悩んだことはない」(36.7%)の該当率が最も高く、次いで、「通学するのが面倒」(28.1%)、「勉強についていけない」(23.2%)の順に高かった。

7-5-2-7図 少年に対する調査 学校を辞めたくなるほど悩んだ経験
7-5-2-7図 少年に対する調査 学校を辞めたくなるほど悩んだ経験
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東京都が実施した調査によれば、学校を辞めたくなるほど悩んだ理由について尋ねた項目の16・17歳の結果では、「学校をやめたくなるほど悩んだことはない」の該当率が56.1%であり、少年院在院者、保護観察処分少年共に、一般の少年よりも該当率が低かった。一方、辞めたくなるほど悩んだ理由については、多くの選択肢で少年院在院者及び保護観察処分少年の該当率が高くなっており、特に差が大きかった選択肢では、「問題のある行動や非行をした」(同結果では、1.3%)、「通学するのが面倒」(同9.9%)、「勉強についていけない」(同10.0%)等で、少年院在院者、保護観察処分少年共に、一般の少年よりも該当率が高かった(東京都「子供の生活実態調査」(平成28年度)による。)。一般の少年と比較すると、少年院在院者、保護観察処分少年共に、学校を辞めたくなるほど悩んだ経験がある者が多く、その理由は多岐にわたっていることがうかがえた。

(4)転職歴

7-5-2-8図は、転職歴について見たものである。転職歴がある者の構成比は、少年院在院者が74.6%、保護観察処分少年が48.5%であり、少年院在院者の方が、転職歴がある者の構成比が高かった。

7-5-2-8図 少年に対する調査 転職歴
7-5-2-8図 少年に対する調査 転職歴
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