心神喪失者等医療観察制度の対象となるのは、<1>対象行為(放火、不同意わいせつ及び不同意性交等(監護者わいせつ及び監護者性交等並びに令和5年法律第66号による改正前の強制わいせつ及び強制性交等を含む。)、殺人、強盗(これらの未遂を含む。)並びに傷害)を行い、心神喪失又は心神耗弱であることが認められ、不起訴処分となった者、<2>対象行為について、心神喪失を理由に無罪の確定裁判を受けた者、又は、心神耗弱を理由に刑を減軽する旨の確定裁判(懲役又は禁錮の刑を言い渡し、その刑の全部の執行猶予の言渡しをしない裁判であって、執行すべき刑期があるものを除く。)を受けた者である。これらの対象者については、原則として、検察官の申立てにより審判が行われる。その審判は、地方裁判所において、裁判官と精神保健審判員(精神科医)の合議体により行われ、心神喪失者等医療観察法に基づく医療の要否・内容が決定される。審判に当たり、裁判所は、保護観察所の長に対し、対象者の生活環境の調査を求めることができる。令和4年における生活環境の調査の開始件数は、283件であった(保護統計年報による。)。
令和4年における検察官申立人員及び審判の終局処理人員を対象行為別に見ると、4-10-3-2表のとおりである。