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 昭和41年版 犯罪白書 第三編/第二章/三/4 

4 不良出版物などと犯罪

 新聞,雑誌,ラジオ,テレビ,映画,演劇どが一般文化の向上に大きな役割を果たしていることはいうまでもないが,ときに,それらの内容は,犯罪発生助長的効果を持つことがありうる。このことは,不良出版物などのほか,最近とくにテレビについて論議されつつある。すなわち,一〇年前と今日とを比較すると,テレビの普及は,あまりにも顕著であるが,この普及に比例して,テレビ放送における暴力的または性的に刺激的な場面などが,とくに,青少年に対し悪影響を与えてはいないかと懸念されるのである。この問題の研究は,わが国では,目下実施の途上にあるように思われるが,中央青少年問題協議会の報告とアメリカにおける資料などによって判断するに,不良な放送の影響力は,これに接する青少年の性格によって異なり,ほとんど悪影響を受けない面もあるが,たとえば,暴力的傾向の強い者や,性的に欲求不満を持った者には,相当の影響を及ぼすことがありうるといえるようである。