新型コロナウイルス感染症感染拡大下においては、同感染症に関連した様々な事象を口実とした詐欺事案やヤミ金融事犯、サイバー犯罪、健康不安等につけ込んだ医薬品医療機器等法違反等の保健衛生事犯等が発生した。これまでも、大規模自然災害等国民生活に重大な影響が生じる事象が発生すると、これに伴う人々の不安や窮状につけ込むような手口の犯罪が発生していたが、同感染症感染拡大下においても同様であった。

また、新型コロナウイルス感染症感染拡大下においては、同感染症により生活や事業に影響を受けた国民に対し、様々な支援を行う各種の給付金等支給制度が設けられたが、これらの給付金等を不正に受け取る詐欺事案も発生し、多数が検挙された。

さらに、転売目的の衛生マスク及び消毒等用アルコールの買占めが横行して供給がひっ迫したため、一定の要件を満たすこれらの転売行為が処罰対象となり、実際にこれらの転売行為をした者が検挙されるに至ったが、その後、需給バランスが回復し、処罰対象ではなくなった。