道路交通法については、平成27年法律第40号による改正で、一定の違反行為をした75歳以上の運転者に対して臨時認知機能検査を行い、その結果が直近において受けた認知機能検査の結果と比較して悪化している場合に臨時高齢者講習を実施することとされたほか、運転免許証の更新時の認知機能検査又は臨時認知機能検査の結果、認知症のおそれがあると判定された者には、その者の違反状況にかかわらず、臨時適性検査の受検又は医師の診断書提出を要することとされた(平成29年3月施行)。
令和元年法律第20号による改正では、<1>自動車の自動運転技術の実用化に対応した運転者等の義務に関する規定が整備されるとともに、<2>自動車等を運転中に携帯電話等を使用する行為等の法定刑が引き上げられた(<1>は令和2年4月に、<2>は元年12月にそれぞれ施行)。
また、令和2年法律第42号による改正では、<1>他の車両等の通行を妨害する目的で、当該他の車両等に道路における交通の危険を生じさせるおそれのある方法により、一定の違反(通行区分、急ブレーキ禁止、車間距離保持等の規定違反)行為をした者を妨害運転(あおり運転)として処罰する規定や、妨害行為により高速自動車国道等において他の自動車を停止させ、その他道路における著しい交通の危険を生じさせた者を加重処罰する規定等を新設し、<2>一定の違反行為をした75歳以上の者は、運転免許証の更新を受けようとする場合、運転免許証の更新期間満了日の前6か月以内に、運転技能検査を受けなければならず、公安委員会は、運転技能検査の結果が、一定の基準に達しない者には運転免許証の更新をしないことができるとするなどの高齢運転者対策を充実・強化した(<1>は令和2年6月に、<2>は4年5月にそれぞれ施行)。
さらに、令和4年法律第32号による改正では、<1>特定自動運行に係る許可制度が創設され、<2>新たな交通主体である<ア>電動キックボード等の特定小型原動機付自転車や<イ>自動配送ロボット等の遠隔操作型小型車の交通方法等に関する規定が整備されるとともに、<3>運転免許証と個人番号カードの一体化に関する規定が整備されるなどした(<1>及び<2><イ>は令和5年4月までに、<2><ア>は6年4月までに、<3>は7年4月までにそれぞれ施行)。