保護観察処分少年は、原則として、20歳に達するまで(その期間が2年に満たない場合には2年間。令和4年4月以降、保護処分時に特定少年であり、6月又は2年の保護観察に付された者については当該期間。)保護観察を受けるが、保護観察を継続しなくとも確実に改善更生することができると認められるに至ったときは、保護観察所の長の判断により、解除の措置が執られて保護観察は終了する。また、保護観察所の長の判断により、一定期間、指導監督、補導援護等を行わず経過を観察する一時解除の措置が執られることもある。少年院仮退院者は、少年院の収容期間(収容すべきであった期間)の満了まで保護観察を受けるが、保護観察を継続しなくとも確実に改善更生することができると認められるに至ったときは、保護観察所の長の申出に基づき地方更生保護委員会が退院を決定し、保護観察は終了する。令和3年に解除となった者(交通短期保護観察の対象者を除く。)は5,629人、一時解除となった者は4人、退院となった者は135人であった(保護統計年報による。)。
保護観察所の長は、保護観察処分少年(令和4年4月以降は、保護処分時に特定少年であり、6月又は2年の保護観察に付された者を除く。)が遵守事項を遵守しなかったときは、これを遵守するよう警告を発することができ、なお遵守事項を遵守せず、その程度が重いときは、家庭裁判所に対し、新たな保護処分として児童自立支援施設・児童養護施設送致又は少年院送致の決定をするように申請(施設送致申請)することができる。また、保護観察所の長は、新たにぐ犯事由があると認めるときは、家庭裁判所に通告することができる。令和3年に警告がなされた者は36人、施設送致申請がなされた者は2人、通告がなされた者は5人であった(保護統計年報及び法務省保護局の資料による。)。
令和4年4月以降、保護観察所の長は、保護処分時に特定少年であり、2年の保護観察に付された者が遵守事項を遵守せず、その程度が重いと認めるときは、家庭裁判所に対し、少年院に収容する旨の決定(収容決定)を申請することができ(ただし、保護観察に付された際に1年以下の範囲内で定められた収容可能期間を満了していないときに限る。)、家庭裁判所の決定により、当該者は収容可能期間の範囲内で少年院に収容される。その場合、家庭裁判所の決定があった時から保護観察は停止し、地方更生保護委員会の決定により退院が許され釈放された時又は収容可能期間が満了した時から保護観察の期間は再び進行する。
少年院仮退院者(令和4年4月以降は、保護処分時に特定少年であり、少年院に送致となった者を除く。)が遵守事項を遵守しなかったときは、保護観察所の長の申出と地方更生保護委員会の申請を経て、家庭裁判所の決定により、少年院に再収容(戻し収容)することがある。令和3年に戻し収容となった者は、4人であった(保護統計年報による。)。
令和4年4月以降、保護処分時に特定少年であり、少年院に送致となった少年院仮退院者が遵守事項を遵守しなかったときは、地方更生保護委員会の仮退院の取消し決定により、再び少年院に収容されることがある。