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令和3年版 犯罪白書 第8編/第5章/第2節/1

1 調査対象事件の概要
(1)犯行の手口

調査対象事件における犯行の手口別構成比を見ると,8-5-2-1図のとおりである。全対象者の人員は1,343人であるところ,複数件の詐欺を行った対象者が含まれる上,複数の対象者による共犯事件を1件と計上していることから,調査対象事件である詐欺の事件数は,延べ2,515件であった。

調査対象事件総数に占める構成比は,特殊詐欺(33.3%)が最も高く,次いで,通帳等・携帯電話機の詐取(13.7%),保険金詐欺(生活保護,年金,給付金,診療報酬等の不正受給を含む。以下この章において同じ。)(8.1%),無銭飲食,無銭宿泊及び無賃乗車(以下この章において「無銭飲食等」という。)(7.8%),偽造又は不正入手したクレジットカードを利用した商品詐欺(以下この章において「偽造クレジットカード等使用詐欺」という。)(7.1%)の順であった。

8-5-2-1図 調査対象事件 犯行の手口別構成比
8-5-2-1図 調査対象事件 犯行の手口別構成比
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(2)共犯

調査対象事件における共犯率(共犯による事件数の占める比率)・共犯者数別構成比を総数・犯行の手口別に見ると,8-5-2-2図のとおりである。共犯率は,総数では約5割(49.7%)であり,犯行の手口別では,特殊詐欺が99.8%と顕著に高く,次いで,保険金詐欺(49.0%),通帳等・携帯電話機の詐取(27.2%),無銭飲食等(5.1%)の順であった。共犯による事件の総数に占める共犯者数別構成比を犯行の手口別に見ると,いずれの手口においても,2人組の構成比が最も高い。特殊詐欺は,2人組が49.8%と最も高く,次いで,3人組(19.1%),5~9人組(14.8%),4人組(12.3%),10人以上の組(3.7%)の順であり,他の手口と比べると,多人数による共犯事件の構成比も高い。なお,氏名不詳の共犯者がいる場合には,裁判書等で「氏名不詳者ら」等と認定されている場合も含めて,氏名不詳の共犯者を「1人」と計上していることから,実際の共犯者数よりも少ない可能性があることに留意を要する。

8-5-2-2図 調査対象事件 共犯率・共犯者数別構成比(総数・犯行の手口別)
8-5-2-2図 調査対象事件 共犯率・共犯者数別構成比(総数・犯行の手口別)
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調査対象事件のうち共犯者がいる事件について,共犯者に氏名不詳の者が含まれるか否かを総数・犯行の手口別に見ると,8-5-2-3図のとおりである。共犯者に氏名不詳の者が含まれる事件の構成比は,総数では67.5%であり,犯行の手口別では,特殊詐欺は91.1%と顕著に高く,次いで,通帳等・携帯電話機の詐取(29.8%),無銭飲食等(20.0%)であった。保険金詐欺では,共犯者に氏名不詳の者が含まれる事件はなかった。

8-5-2-3図 調査対象事件 氏名不詳の共犯者の有無別構成比(総数・犯行の手口別)
8-5-2-3図 調査対象事件 氏名不詳の共犯者の有無別構成比(総数・犯行の手口別)
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