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令和3年版 犯罪白書 第3編/第2章/第1節/4

4 少年法等の改正

令和3年5月,成年年齢の引下げ等の社会情勢の変化及び少年による犯罪の実情に鑑み,必要な措置を講ずるため,少年法等の一部を改正する法律第2編第1章1項(1)参照。以下この項において「改正法」という。)が成立し,4年4月1日から施行されることとなった。同法により,少年法が改正され,18歳以上の少年が特定少年とされ,特定少年の保護事件の特例として,<1>家庭裁判所が原則として検察官に送致しなければならない事件に,死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪の事件であって,犯行時に特定少年に係るものが加えられ,<2>家庭裁判所が審判を開始した事件につき,少年が特定少年である場合に決定するべき保護処分(6月若しくは2年の保護観察又は少年院送致)の内容等に関する規定が整備されるとともに,<3>ぐ犯が対象から除外されるなどの規定の整備が行われた。また,特定少年の刑事事件の特例として,不定期刑(本編第3章第1節1項参照),換刑処分の禁止の規定等を適用しないものとするなどの規定の整備が行われた。さらに,特定少年のときに犯した罪により公訴を提起された場合には,略式手続による場合を除き,記事等の掲載の禁止に関する規定を適用しないこととされた。

また,改正法により,更生保護法が改正され,前記<2>の保護処分に係る保護観察に付された特定少年を保護観察処分少年(本章第5節2項(1)参照)に加えるなどの所要の規定の整備が行われた。さらに,改正法により,少年院法が改正され,少年院の種類(本章第4節3項(1)参照)に,前記<2>の保護処分に係る保護観察のうち2年の保護観察に付されている者(特定保護観察処分少年)について,遵守事項を遵守しなかったと認められる事由があり,その程度が重く,かつ,少年院において処遇を行わなければ改善更生を図ることができないと家庭裁判所が認めるときに決定をもって収容するものとして,第5種を新たな少年院の種類として加えるなどの所要の規定の整備が行われた。